三橋俊雄 MITSUHASHI Toshio

芝学園高等学校
大学21回生(73.3卒)

73.4 GKインダストリアルデザイン 研究所 入所
79.10(株)シー・エフ・アイ 入社
85.4 筑波大学大学院修士課程 入学
87.4 筑波大学大学院博士課程 入学
88.4 千葉大学自然科学研究科環境科 学専攻博士課程 入学
91.3 千葉大学自然科学研究科環境科 学専攻博士課程 修了
91.4 筑波技術短期大学デザイン学科 助教授
93.4 千葉大学工学部デザイン工学科 講師
97.4 京都府立大学人間環境学部環境 デザイン学科 教授
08.4 京都府立大学生命環境科学研究 科環境科学専攻 教授
91.3 博士(学術)(千葉大学)
受賞
92.9 日本デザイン学会、研究奨励賞「内発的地域開発計画に関する一 連の研究」に対して

「自然共生と内発的地域づくり」「地域生活文化」「伝統産業・地場産業の活性化」「福祉機器・ユニバーサルデザイン」などの研究と実践を展開。京都府丹後地域における高齢化・過疎化地域を対象に、地域資源を活用した内発的地域づくりを「エコミュージアム」という視点で推進するほか、京都市内の高齢者を対象に「記憶の中の京の暮らし」というテーマで京都文化の基底をなす生活文化・生活の知恵の調査研究を行う。また、丹後半島の日常生活に今も残るマイナーサブシステンス(遊び仕事)の自然共生的価値の研究などをすすめている。さらに、台湾をフィールドにした調査研究を行っている。

生活文化調査:のぞきからくり唄最後の伝承者(左)
高齢者自立機器開発: Walking Aid(右)

西陣織製品開発:ファッションバッグ、京漆小箱

■現在の主な研究

1)自然共生型の生活文化・行動を内包するマイナーサブシステンス(遊び仕事)研究の構築(科研・基盤研究(B)2010-2012)
  自然共生教育と地域活性化計画について考究することを通して、「遊び仕事」の今日的価値・役割について検討する。
2)台湾客家の食文化研究
 民俗学、文化地理学の視点から、客家の食文化変容について、日本時代の文献や現地踏査を通して、その共生循環・一物全体活用、協働性、共同体的行動規範などについて明らかにする。
3)台湾の竹と生活文化・生活技術
 民俗学的・道具学的視点から、台湾の竹に関する適材適所、地産地消、技の探求、一物全体活用、象徴性・真正性などに注目して調査・研究する。

■主な学術論文

1)開発における「適正デザイン」概念の基礎的検討──アプロプリエイト・デザインに関する研究(1)、共著、デザイン学研究No.66、31-38、1988
2)内発的地域開発計画の特質──過疎地域・新潟県山北町における実践を通して、共著、デザイン学研究 No.80、43-50、1990
3)ものづくりを通した自然と人間の共生に関する行動と観念−福島県三島町の自然に働きかけるものづくりの実態調査を通して、共著、デザイン学研究No.113、71-80、1996
4)中国の近代化に伴う食生活文化の変容──上海都市郊外「嘉定鎮」の食生活用具調査を通して、共著、生活文化史No.29、59-72、1996
5)Design of Roads for Social Communication ─ Functions and Meanings of Roads in Community、共著、 The Science of Design Vol.48 No.2 no.146、25-32、2001
6)Some Aspects of an Endogenous Regional Development、共著、 The Science of Design Vol.48 No.6 no.150、47-56、2002
7)延辺朝鮮族における台所道具文化の変容、共著、生活文化史No.46、61-85、2004
8)Research on Persimmon trees Landscape Patterns and Life Culture of Kamiseya,Miyazu City in Kyoto Prefecture、The 3rd International Symposium of Local Resource Application & Community Empowerment、33-40、2007
9)京丹後市袖志地区における水と暮らし─シミズ、カワ、イケ、イネの調査を通して、文化創意産業発展新趨勢、2008 10)マイナーサブシステンス(遊び仕事)とエミュージアム、韓国・地域文化デザイン国際シンポジウム、2009

■博士(学術)論文

地域開発計画の「内発性」に関する基礎的研究──デザインを通しての地域の潜在的資質の内発的活性化を軸として、千葉大学、1991

■著書

1)身体障害者の生活環境と道具、みんなのねがいNo.58、全国障害者問題研究48-51、1974
2)もう一つの観光開発─新潟県山北町観光開発基本計画、共著、住民運動No.62、48-52、1989
3)エコツーリズムと内発的地域づくり、丹後地域文化オープンカレッジ、古今書院、1-16、2001
4)地域のアイデンティティ(266-267)、デザインにおける適正技術論(322-323)、デザイン事典、朝倉書店、2003
5)緑と華の楽園、菩提長青村の存続に関する検討──日本の震災復興事例を参考にして、一個老人福利・社区的営造、行政院文化建設委員会(台湾)、19-63,2004
6)ブリコラージュ・方杖と砥石台、道具学への招待、道具学叢書001、ラトルズ、134-135、2007
7)伝統與創意-部落編織深度体験営、国立台北芸術大学(台湾)、18-20、40-49、2008

■丹後の山村に見るブリコラージュ
人間は、自然物をその道具に見立てその形状や構造を最大限に活かして目的にかなった道具につくりあげていく「ブリコラージュ」の手法をとってきた。写真手前は、鎌などを研ぐための砥石の台。一本の木の三つ叉部分をそのまま切り取り利用した、まさにブリコラージュの傑作。後方は現在使用のもの。(宮津市、奥波見集落1998年)





■粉搗きとジェンダー解放
マリ共和国の女性たちが5時間かけて穀物を粉に搗いている。ジェンダーの問題として安易に自動粉挽き機を導入することは、かえって彼女たちの集落での「立場」を失うことになりかねない。発展途上地域における「近代化」は、教育や技術の習得など多角的見地から時間をかけて行うことで真に内発的地域づくりに向かうのではないか。(科研・基盤研究C「西アフリカにおける援助活動による住民組織化へのインパクトに関する研究」2005年)





セイコー競技時計1974(GK)(左)
セイコー羽田世界時計1974(GK)(中)
セイコー柏駅前時計1974(GK)(右)

セイコー麹町通り時計1974(GK)(左)
セイコー都ホテル世界時計1974(GK)(中)
共石ガソリンポンプ1974(GK)(右)

東京スタイルファッション家具1975(GK)(左)
渡辺測器XYプロッター(GK)(右)

楠本化成環境試験器1983(CFI)(左)
アルプス電気パソコン1984(CFI)(中)
シチズンプリンター1986(三橋)(左)

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